時代に合わせて日々進化する装備と同じく、トレーニングツールも進化します。訓練に使用するためのラバーガンを製作しているキャロットから、MINIMIの改良版が発売されました。(SATマガジン2019年9月号に掲載)
TRG(Tactical Rubber Gun)という製品は、ゴムで作られた、実銃とほぼ同じ形状・寸法と重さの、トレーニングツールです。銃器を用いた訓練のうち、射撃を必要としない訓練では必ずしも実銃を使う必要はなく、例えば執銃時や、CQBの動作の確認などにTRGを代用することができます。
TRGに代用するメリットとしては、実状況で使用する可能性のある実銃を、訓練で損耗させることなく安全に代用できること。また、リアルに作られているので、実銃と同様の訓練が可能になります。
従来の拳銃や小銃よりも大型のMINIMIは、従来品を全面改良したもので、エラストマーというゴム質樹脂でインサート成型した製品です。コアとなる鉄製芯材の配置も、実銃の重量バランスをリアルに再現しており、より実に近い想定で扱えます。
訓練や実状況に向けての必要不可欠なツールではないでしょうか。
MINIMI-TRG
全長:1,040mm
全幅:110mm、195mm(弾倉装着時)
全高:230mm(提げ手収納時)
重量:約6,300g、約8,800g(弾倉装着時)
主たる部品:エラストマー(PU)
芯材:鉄材
鉄材表面処理:パーカーライジング(Mn)
色調:黒色
マズルは埋めてあり、安全性が見て分かります。バレルは少し太めに作られていて、格闘などの激しい動きにも耐えられそうです。
鉄製の二脚は、機関銃手がリアルな状況を再現するのに不可欠なパーツです。伸縮機能はありません。
実銃同様、二脚を畳んで下部被筒に収納することができます。
トリガーは、訓練時に壊れにくいよう無可動です。
照星と照門は実際に覗けるようになっていて、より実銃に近い感覚で使用することができます。
ステンレス製の追い紐環は実銃同様、2か所。
十分な強度を持っています。
追い紐も付属。実銃とは違ったタイプのクッションがついています。
提げ手はロック無しの可動式。実銃と大きい差は感じません。
MINIMI-TRG (JP) 2019
made in japan carrot inc の刻印。
床尾は肩に当たる部分までしっかりと再現されている為、訓練使用時の肩付けは違和感なく行うことができます。
掩体などに置いていても違和感がなく、また、銃監視を置かずにいても問題がありません。
6,300gの本体と、約2,500gの200発入り箱形弾倉、さらに鉄製二脚を足したおよそ9kg弱の重さは、模造とはいえ実戦に近い気持ちで訓練に臨めると思います。重いです!
本体は丸洗いが可能。整備を簡単に済ませることができるので、訓練時間が有効に活用できるメリットもあります。
ラバー製のトレーニングガンは数社から販売されていますが、キャロット製のものは重量バランスがよく、バリエーションも豊富です。実際に手にしてみて、より現実に即した訓練ができると感じました。より安全かつ現実的な訓練教材として、ぜひ一度、試してみてください。
開発製造元:有限会社 キャロット
販売代理店:株式会社 サイトロンジャパン
協 力:東京サバゲパーク(http://tokyosabagepark.jp/)
Photo & Report:乙夜