Nyuta Air FES 2019 第301飛行隊 最後の里帰り機動飛行

Nyuta Air FES 2019 第301飛行隊 最後の里帰り機動飛行

取材:乙夜

12月15日、宮崎県児湯郡の新田原基地にて、新田原基地航空祭が開催された。配備されている第5航空団は、第8航空団(福岡県)と共に、スクランブルに備え、西日本の空を守っている。かつては、最強の技量を持つパイロットたちで編成された飛行教導群の本拠地があり、陸軍航空隊や落下傘部隊の教育施設も存在した。

当日は晴天に恵まれ、日本各地から航空ファンだけでなく、家族連れも多く集い、来場者数は昨年を上回る約5万7千人となった。あまりの混雑に、近隣の宿泊施設を予約する事も難しく、2日前の羽田発宮崎空港行きの便にも、早くも航空ファンたちの姿が見られた。

陸海空、合計21機種 40機の航空機を展示。US-2やC-2等の他、F-15のコックピット見学、VADSやペトリオットなどの防空火器、16MCVなど陸上自衛隊の車両も展示された。飛行教育課程の説明の他、子ども向けに分かりやすく描かれた出展も多く、幅広い世代が楽しめる内容となっていた。

百里基地へ移動していた第301飛行隊は、引退間近のF-4EJ改スーパーファントムで、里帰り飛行を行った。尚、来年度にはF-35への機種改編と三沢基地への移駐が予定されている。


オープニングフライトでは、U-125A、UH-60Jの飛行を皮切りに第305飛行隊のF-15J/DJ6機による、息の合った編隊飛行を披露。

 

UH-60から降下した救難隊員による自由降下展示。敵の地域で墜落したパイロット等を救出する際に隠密で潜入するため使用される。

 

新田原救難隊による救難展示。救難捜索機であるU-125Aが要救助者を発見。その後、UH-60Jが救出に向かう。

 

要救護者を乗せた担架をホイストで釣り上げる。てきぱきと行われる救助に、会場から拍手が起こった。

 

飛行後、メンテナンスを行うUH-60J。

 

F-15の機動飛行。アフターバーナーが美しく輝く。第305飛行隊は、第301飛行隊と入れ替わる形で、2016年に新田原基地に移駐された。

 

築城基地から派遣された、第8飛行隊F-2支援戦闘機の機動飛行。ヴェイパーを発生させながら青空を舞う姿は多くのファンを魅了した。

 

退役記念塗装のF-4EJ改 スーパーファントム。ガマガエルをモチーフにした部隊マークは「無事に帰る」という意味もこめられている。

 

アクロバット飛行隊ブルーインパルスのT-4練習機が、華麗な曲芸飛行を披露した。今回はパイロットの一人が体調不良のため、5機の編成となった。

 

F-16デモチーム PACAF プリモ大尉による機動飛行。急旋回、急上昇など、あまりの速さにカメラが追い付かない。
プリモ大尉は任期満了につき、日本でのフライトはこれが最後という。

 

F-4の、最後の里帰り飛行を見納めようと集まったファンたちに手を振るパイロットたち。国防を担い続けたファントムの雄姿が目に焼き付いた。

 

地上展示も充実。ミニF-15に引かれての移動は、子どもたちにも大人気。

 

憧れの自衛隊員になれる試着コーナーも人気。他、飛行教育課程の展示や、募集窓口等も併設されていた。

 

パイロットの装備の展示。パラシュートを装着し、手にはレスキューストロボライトを持っている。

 

F-15に搭載されている、20mm機関砲装置「GAS」。100発/秒、発射することが出来る。

 

20mm弾薬と、カット見本の展示。普通弾の他、曳光弾、実弾、曳光自爆榴弾、曳光信号弾等がある。

 

T-4 中等練習機の展示。

 

美保基地に所属するC-2輸送機。Blue Whale(シロナガスクジラ)という愛称で呼ばれており、地上で見るC-2はかなり大きく感じた。

 

海上自衛隊のUS-2 救難飛行艇。世界で唯一、波高3mの外洋に着水が可能な最新鋭救難飛行艇である。

 

4つのプロペラは独立して起動させることができる。

 

警備小隊による警備犬の展示では、4頭の警備犬が登場。命令に忠実に従うだけでない、ハンドラーとの信頼関係を見ることが出来た。

 

従順で可愛らしい面も持ちながら、圧倒的なパワーとスピードは、さすが警備犬。犯人制圧の強力な助っ人となる。

 

災害時等を想定した、被災者救助の実演。隠れている被災者役を見つけると、その場に座って吠え、隊員に知らせる。

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